日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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教育講演V
在宅酸素療法患者の教育と支援~次の大震災に備えて我々は今何をすべきか
茂木 孝
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2015 年 25 巻 1 号 p. 38-40

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抄録
防災の基本理念に沿えば患者自身が自己管理能力を発揮することが「自助」を高め,診療所・病院・医師会,業者,自治体が連携することが「共助・公助」となる.自己管理能力の向上は患者教育を含む包括的呼吸リハビリによる.酸素が使えない時に,ボンベに切り替える,安静にして口すぼめ呼吸でしのぐなど,全ての患者が知っておくべき対処法を学ぶ機会を増やし,これをアクションプランとして文書化しておくべきである.医療者は普段から各患者の酸素必要性の緊急度を意識しておき,いざという時には酸素投与のトリアージを指示する必要がある.共助・公助の提供においては,酸素が必要な患者の実態,さらに酸素業者の役割について社会的認知が遅れており,これが支援・連携体制にも影響している.我が国の支援体制は様々な課題を抱えており,それは震災前から懸念されていたことでもあった.酸素療法に関わる全医療者・業者・行政が改めて考え直す必要がある.
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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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