日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
体位呼吸療法を看護ケアに定着させるための方略
――図を視覚的に提示する介入の有用性――
松嶋 真哉武市 梨絵横山 仁志渡邉 陽介堅田 紘頌星野 姿子
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2015 年 25 巻 1 号 p. 99-104

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抄録

体位呼吸療法は,酸素化の低下した患者に対する重要な治療介入である.我々は,人工呼吸器装着患者に不慣れな病棟の看護ケアに体位呼吸療法を定着させることを目的に,病棟スタッフへ体位呼吸療法の図を提示し推奨する方略を行い,その有用性を検討した.対象は酸素化障害を呈する人工呼吸器装着患者7例を介入群とし,体位呼吸療法の実施状況を調査した.その結果,体位呼吸療法の平均実施時間は258.8±162.6分/日と一定時間の体位呼吸療法が定着した.また,通常の体位管理を実施していた13例を対照群とし,有害事象の有無,酸素化の変化,呼吸器離脱時期について比較検討を行った.その結果,有害事象の有無は2群間に関連を認めず,対照群と比較し介入群では酸素化の改善が大きく,自発呼吸トライアルまでの期間が短縮した.以上より,体位呼吸療法の図を視覚的に提示し推奨する方略は,簡便かつ効果的に体位呼吸療法を定着させる方法であることが示された.

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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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