日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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特別講演I
高齢慢性呼吸不全患者の終末期医療
宮本 顕二
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2015 年 25 巻 2 号 p. 129-134

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抄録
日本は世界の最長寿国です.しかし,私たちの周りを見ると,やれ胃瘻だ,中心静脈栄養だ,人工呼吸器だと,結局苦しみの中で亡くなっている患者が少なくありません.その理由は,延命至上主義の結果,高齢で終末期の患者に対しても,最後まで治療を続けるからです.一方,私たちが訪れた欧米豪では,高齢で食べられなくなったら,胃瘻や中心静脈栄養などの人工栄養は一切行わず,食べるだけ,飲むだけで自然に死を迎えさせています.無理に食べさせず,延命措置もしないため,いわゆる寝たきり老人はいません.誤嚥性肺炎も問題になりません.患者だけでなく,自分も含めて,どのような最期を迎えたいかを,今こそ,真剣に考える時です.
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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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