日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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総説
COPD患者に対する「呼吸理学療法」
高橋 仁美岩倉 正浩柴田 和幸大倉 和貴川越 厚良菅原 慶勇柏倉 剛本間 光信佐竹 將宏塩谷 隆信
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2015 年 25 巻 2 号 p. 158-163

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抄録
COPD患者に対する呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)は,運動療法,作業療法,理学療法,患者教育(禁煙・身体活動性の維持)などで構成される.このうち運動療法は呼吸リハの中核であり,理学療法については,効率の良い運動療法を行うためのコンディショニングの位置づけと解釈される.しかし,本来,「理学療法」には運動療法が含まれるため,「コンディショニングと運動療法を合わせて理学療法とする」ことを提言したい.COPD患者は発症早期の軽症な段階から身体活動が低下していることが報告され,身体活動が生命予後に影響することが明らかになりつつある.COPDは全身性炎症を伴う疾患として捉えられているが,身体活動と全身性炎症の関連については必ずしも明らかでない.しかし近年,歩行による身体活動の向上によって全身性炎症の低下を示唆する報告も出てきている.運動療法や身体活動の維持・向上によって,生命予後が改善すると結論付けられる日も近いと期待される.
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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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