日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
原著
口腔ケア技術向上のための呼吸器ケアサポートチーム介入の成果と課題
山本 加奈子香川 智正酒井 正雄手塚 正美益田 幸大家 仁美松下 祥子小玉 篤藤江 美佳横澤 悠貴
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2015 年 25 巻 2 号 p. 238-243

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抄録
本研究は,看護師の口腔ケアへの悩みを減らし,技術向上に必要なRST介入の必要性について明らかにすることを目的に,看護師を対象に自記式質問紙調査を実施した.口腔ケアに悩みがない看護師は,悩みのある看護師に比べて,知識項目の理解があり,「意識」「知識」「技術」「推進」の全ての項目間に正の相関が見られた.また,「口腔ケアが充分できる」と正の相関があったのは,誤嚥のリスクが高くケアが難しい「意識障害患者のケアができる」であった.口腔ケア技術向上には,マニュアル活用の継続と,RSTによる看護師への知識の普及とベッドサイドでの技術指導や経過記録の充実,口腔アセスメントシートとケアプロトコールの遵守の定着化の必要性が示唆された.看護師の口腔ケア技術の向上には,RSTが口腔ケア実施者として積極的に働きかける事に留まらず,看護師が口腔ケア技術向上に能動的に取り組むように働きかけることが課題と考える.
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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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