日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
当院における誤嚥・窒息予防への取り組み
乾 亮介森 清子中島 敏貴杉島 裕美子森 金子中島 雅美八川 公爾田平 一行
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2015 年 25 巻 2 号 p. 262-266

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抄録
【はじめに】入院患者の誤嚥・窒息予防は重要であるが,具体的な取り組みに関する報告は少ない.今回,当院で誤嚥・窒息予防の現状を調査し,改善対策の後,その効果について検討したので報告する.
【方法】院内の全看護師278名に対し誤嚥・窒息に関するアンケート調査を実施した結果,改訂水のみテスト(MWST)やフードテスト(FT)のマニュアルの認知度は48%と低く,食事介助中の誤嚥・窒息経験者は21%と高かった.対策としてマニュアルを改訂し,研修会や病棟で実技勉強会を実施し,マニュアルの周知徹底を図った後,同様の調査を実施した.
【結果】MWST及びFTマニュアルの認知度は73.5%に上昇し,食事介助中の誤嚥・窒息経験者は1.8%に減少した.
【考察】MWST,FTは一般的な嚥下機能評価であるが,看護師の認知度や実施率は低かった.周知徹底の取り組み後,MWST,FTマニュアルの認知度は向上し,誤嚥・窒息の経験は減少したが,十分ではなく継続した取り組みが必要と考えられた.
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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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