日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
神経筋疾患における吸気介助方法の選択および吸気量と咳のピークフロー値との関係
佐藤 善信中島 光裕星井 輝之布原 史翔桑田 麻衣子今泉 正樹福田 清貴岩﨑 洋一
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2015 年 25 巻 3 号 p. 395-400

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抄録

神経筋疾患患者に対する呼吸ケアの一つとして,通常の救急蘇生バックを用いたlung volume recruitment(LVR)があるが,air stackingが困難な患者では効果的に実施できない場合がある.われわれは,患者をair stacking可能群と不可能群に分け,2種類の救急蘇生バックを用いて吸気量と咳のピークフロー(CPF)値を測定し,効率的なLVRを実施するために,どちらの救急蘇生バックを選択すべきかを検討した.その結果,air stacking可能群では通常の救急蘇生バック,air stacking不可能群ではPEEP弁付き救急蘇生バックが有用であると考えられた.また,MIC>1,170 mlとなるように肺吸気量を維持することは,救急蘇生バックを用いた吸気介助と,呼気時胸部介助を併用した咳嗽介助を実施するにあたり,重要であることが示唆された.

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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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