抄録
離島に居住し在宅酸素療法(以下HOTとする)を受けている患者が,自己管理能力を高めて,療養を円滑にするための支援モデルを構築することを目的とした.M島の基幹病院に看護職等からなるHOT患者在宅療養支援検討会を立ち上げ,内科外来にHOT患者への療養支援体制を策定した.一方,HOT患者サロンおよびHOT患者への研修会等を実施した.また,支援ボランティア組織づくりの検討を行った.支援検討会での活動の結果,外来では,HOT患者への関心が高まり,【外来に携わる看護職の変化】がみられ,【HOT患者を取り巻く多職種協働の変化】をもたらし,多職種を巻き込んだ支援体制に繋がった.HOT患者サロンは,研修会,季節行事,患者交流によって,知識の増加や療養生活への変化,意欲の向上に繋がり,療養支援に有用であることが示された.島嶼の特徴から,福祉職との連携による支援体制の可能性が示唆され,島嶼における支援体制モデルが示された.