抄録
【背景】在宅酸素療養患者において,タブレット端末を用いたセルフマネジメントの有用性に関しては未だ明らかではない.
【目的・方法】本研究では在宅酸素療養を行っている69人の慢性呼吸器疾患患者を対象とし,タブレット端末を用いたHOT遠隔支援システムのセルフマネジメントの有用性について,90日間の入力記録を用いて,その使用実態の検証を行った.
【結果】1日1回入力した人数の推移は1週目69人から13週目で31人と減少した.90日間の入力日数の分布は1~15日間入力した対象患者は27人,85日間以上実施したものは16人であった.使用患者の90日間の導入前後の変化は,歩行数は増加傾向が認められた.90日後のアンケート調査では,タブレット端末の利便性の満足度は25人中21人が満足していた.
【結論】タブレット端末の利便性に満足はしているものの,タブレット端末の入力を継続した患者は45%に減少し,医療従事者が介入しないセルフマネジメントを継続することは難しい可能性が示唆された.