日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
慢性閉塞性肺疾患患者における低酸素血症が高次脳機能と脳血流反応に及ぼす影響の検討
杉谷 竜司大城 昌平東本 有司前田 和成白石 匡岡島 聡山縣 俊之寺田 勝彦東田 有智福田 寛二
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2015 年 25 巻 3 号 p. 457-461

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抄録
【目的】COPD患者における低酸素血症が,高次脳機能と脳血流反応に及ぼす影響を検討した.
【方法】COPD患者10名を対象とした.日常生活での低酸素血症の指標は,連続パルスオキシメトリによる24時間のSpO290%未満低下時間(以下T90),高次脳機能はN-Back Task(以下NBT)の正答率で評価した.近赤外線分光法にてNBT時における脳皮質の酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb)変化量を測定した.Oxy-Hbの増加を脳の賦活とした.
【結果】NBTの正答率は安静時PaO2と有意な相関がみられなかったが,T90と負の相関を認めた(r=-0.74,p<0.05).T90とOxy-Hb変化量には正の相関を認めた(r=0.63,p<0.05).
【結語】COPD患者では,日常生活の中で低酸素状態に晒される時間が長い程,NBTで評価した高次脳機能が低く,NBT実施中の脳賦活量が大きい.
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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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