抄録
先天的な高度脊柱側弯症と胸郭変形による拘束性換気障害を基礎病態とする57歳の女性が,急性呼吸促迫症候群にて入院,長期人工呼吸管理を施行した.初回の退院時には,酸素投与および補助換気療法は導入しなかった.しかし在宅復帰後,呼吸器疾患に伴う肺高血圧症,右心不全を発症し再入院となり,人工呼吸管理となった.2回目の退院時には,在宅酸素療法および人工呼吸療法に加え,週2回,3か月間の外来リハビリテーションを導入した.労作時呼吸困難が軽減し,身体活動量も増加した.呼吸機能,筋力および6分間歩行距離が改善し,肺高血圧症および右心不全の増悪がなく,長期の在宅管理に成功した1例を経験した.