日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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症例報告
薬剤性肺障害に対する呼吸理学療法:前傾側臥位を中心としたアプローチの効果
岡村 正嗣藤田 康孝志水 泰夫内田 真樹高宮 充孝中村 陵子松永 晋作岡田 隆
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2015 年 25 巻 3 号 p. 466-468

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抄録
抗不整脈薬のアミオダロンによる薬剤性肺障害を呈した症例に対して,前傾側臥位等のポジショニングを中心とした呼吸理学療法を実施した.症例は急性心筋梗塞の診断で入院し,心室頻拍に対してアミオダロンの投与が開始された.第20病日,胸部CT所見上,両側背側肺野を中心とした浸潤影・スリガラス影を認めた.アミオダロンを被疑薬とした薬剤性肺障害と診断し,本剤の投与を中止してステロイド治療を開始した.理学療法では酸素化の改善を目的に前傾側臥位等のポジショニングを実施した.ポジショニング実施前後でSpO2・聴診所見・呼吸困難の程度に改善を認めた.前傾側臥位等のポジショニングを継続して実施し,徐々に酸素化は改善した.ADLは自立し,自宅退院に至った.両側背側肺野を中心とした薬剤性肺障害を呈した本症例では,前傾側臥位等のポジショニングを中心とした呼吸理学療法が酸素化の改善に効果的であった.
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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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