日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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Print ISSN : 1881-7319
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症例報告
ネーザルハイフロー使用下よりリハビリ開始し在宅復帰した急性呼吸窮迫症候群の一症例
森田三佳子岡本こずえ伊藤 郁乃設楽久美子塚本 陽子安藤 亮子池田 梓佐藤 広之新藤 直子松井 弘稔
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2015 年 25 巻 3 号 p. 469-473

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抄録
Nasal high flow(NHF)は,非侵襲的に鼻腔から高流量の酸素投与が可能であり,急性呼吸不全の管理においてその有効性が報告されている.また,会話,飲食,排痰などが可能で,リハビリを進めやすい可能性が期待されているが,NHF使用下でのリハビリの報告はほとんどみられない.今回われわれはNHF使用下で理学療法と作業療法を併用施行し,早期離床を試みた重症肺炎・急性呼吸窮迫症候群(ARDS: acute respiratory distress syndrome)の1症例を経験した.本症例では,日常生活動作訓練に加えて,酸素吸入下での家事動作や趣味活動の訓練も行い,退院後のQOL(Quality of life)向上を目標に支援をした.NHF使用中でも,早期の理学療法・作業療法介入が有用な症例もあることが示唆された.
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© 2015 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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