われわれは2013年から,韓国の医師や理学療法士など多職種に呼吸リハビリテーション(呼吸リハビリ)の重要性を認識して頂くこと,さらに呼吸リハビリを実践できる理学療法士等の養成を主たる目的に学術交流を行ってきた.具体的な取り組みは,韓国内において呼吸リハビリの知識・技術を啓発・普及するためのセミナーを開催し,理学療法士のみならず,呼吸リハビリに関わる多職種の人材育成を行った.また,日本において,「国際呼吸リハビリテーションフォーラム」を主催し,日本と韓国の医療関係者の学術交流ならびに日本の呼吸リハビリ施設を見学する機会を設けた.その際,「呼吸リハビリを普及・定着するための方策」をテーマに討議の場を設け,韓国の医師,看護師,理学療法士など多職種間の連携構築を促した.これらによって,韓国での呼吸リハビリの課題や行動目標が明らかとなり,人材育成のための教育機関の必要性など具体的な取り組みが始まった.