抄録
AECODP(COPD急性増悪)患者に対する呼吸理学療法の効果と臥床期間が与える影響について検討した.対象はAECOPD入院患者25例とした.調査項目はBMI,mMRC,呼吸機能検査,握力,下肢筋力,SWT(shuttle walking test),NRADL(Nagasaki University respiratory activities of daily living questionnaire)とし,初期評価時と退院時で比較した.また,入院から呼吸理学療法開始までの臥床期間を,中央値未満の「早期群」と中央値以上の「臥床群」に大別し,退院時の各調査項目と入院時の血液ガス分析の値,感染症の有無,人工呼吸器管理の有無,入院期間で比較した.初期評価時と退院時の比較ではmMRC,下肢筋力,SWT,NRADLで有意な改善を認めた.臥床期間の比較では,「早期群」は「臥床群」に対し退院時の握力と下肢筋力,SWTが有意に高値であり,BMIは標準値との差異が有意に低値であった.また,「臥床群」は,高い割合で感染症と人工呼吸器管理が認められ,入院期間は「臥床群」が有意に長期間であった.AECOPD後の呼吸理学療法は有効であり,人工呼吸器管理を施行された場合でも,呼吸理学療法の早期介入を考慮すべきと考えられた.