抄録
【目的】当院における市中肺炎(CAP)および医療介護関連肺炎(NHCAP)患者の総合的臨床兆候とリハビリテーション介入の効果について検討した.
【対象】2014年4月から2015年3月にかけて,肺炎の診断で入院しリハビリテーションを実施した176例を対象とした.
【方法】検討1はCAP群とNHCAP群の比較,検討2は過去2年間に誤嚥性肺炎の診断で再入院したCAP群とNHCAP群の比較,検討3はCAP群の中で再入院の有無で比較,検討4はNHCAP群の中で再入院の有無で比較とし,年齢,重症度判定,誤嚥性肺炎率,日常生活動作能力評価,退院先などを,診療録より後方視的に検討を行った.
【結果】CAP群に比較しNHCAP群では,年齢が高く自立度が低く全般に介助が必要な患者が多く,両群ともに半数以上が誤嚥性肺炎であった.再入院患者群は,再入院していない患者群と比べると,CAP群・NHCAP群ともに日常生活動作自立度が低値であり,特にNHCAP再入院群では日常生活動作自立度が低い傾向にあった.