日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
気管支喘息患者に対する看護師による吸入指導の効果
中井 晶子青木 康弘松田 智恵鈴木 雅文原 史郎須賀 達夫前野 敏孝倉林 正彦
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2016 年 26 巻 1 号 p. 101-107

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抄録
気管支喘息は,気道炎症,気道過敏性の亢進,可逆性の気道閉塞を特徴とする慢性疾患である.気管支喘息の治療では気道炎症をコントロールすることが最も重要であり,標準治療として吸入ステロイド薬が用いられる.しかし気管支喘息患者の中には,病態理解が不十分なために,吸入ステロイド薬に対する誤った認識を持ち,自己判断で吸入を中止してしまう患者が存在する.当院では看護師が吸入指導を行うことにより,患者の病態に対する理解度,標準治療と治療継続の必要性に対する理解度の改善を認めた.また初回指導後6ヶ月~12ヶ月を経過すると,吸入アドヒアランスには問題なくても,気管支喘息理解度の低下が見られることから,定期的な吸入指導の継続が必要と考えられた.
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© 2016 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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