2016 年 26 巻 2 号 p. 150-156
日本呼吸器障害者情報センターは,2000年1月に日本の呼吸器疾患の患者団体として初めてNPO法人の認証を取得し,以来15年間,患者と家族,医療・福祉スタッフ,事業者の三者を結ぶ“センター”として活動,啓発や要望を実現すべく国への働きかけも行っている.
平成26年度,独立行政法人福祉医療機構より,『患者視点による在宅酸素の手引書作成事業』に対し助成金を得て,先ず,患者アンケート調査を行い「報告書」に取り纏めた.
その調査結果で,慢性呼吸器疾患患者は,日常の療養生活や医療者の療養指導について,また,社会福祉制度の利用に関して様々な不安や不満を持っていることが明らかになった.
「患者視点による在宅酸素の手引書」の作成にあたっては,患者が日常の療養生活を安心して過ごせるよう,新たな知見や仕組み,制度の解説なども織り込み,慢性呼吸器疾患に苦しむ患者が,いつでも手元において必要な時に参照できる“新訂版”を目指した.