2016 年 26 巻 2 号 p. 252-257
不安を含む心理状態は日常の身体活動に影響を及ぼすが,間質性肺炎(IP)患者における不安感は,何により影響を受け,他にどのように関連するかは,必ずしも明らかでない。そこで,IP患者が抱く不安感と身体機能面および健康関連QOLとの関連性に関して検討した。外来でのリハビリテーションを実施したIP患者31名(平均年齢:74.8歳,FEV1/FVC: 98.4%,%VC: 68.4%)を対象とした。リハ初期評価時に,State Trait Anxiety Inventory Form(STAI)により状態不安と特性不安を測定した.また,年齢,重症度,mMRC,肺機能(%FEV1,%VC,FEV1/FVC),血液ガス(PaO2),膝関節伸展筋力,握力,6MD,健康関連QOL(SGRQ)を測定し,不安との関連性を調査した.その結果,状態不安,特性不安は両者とも,SGRQ(symptoms,impacts,total)と有意な相関を認めたが,他の因子との相関は認められなかった。IP患者の不安感はどこから来るかは明らかにされなかったが,健康関連QOLと関連を有することが示唆された.