2016 年 26 巻 2 号 p. 246-251
入院を要するCOPD急性増悪のリスク因子を明らかにすることを目的に,COPD患者92例を対象として後方視的に検討した.各項目を2群に分類した単変量解析では,年齢,BMI,%肺活量,%1秒量,ISWT歩行距離,mMRC,CRP,CATにおいて有意差を認めた.さらに,これらの項目を独立変数,急性増悪による入院までの期間を従属変数としたCox比例ハザードモデルによる多変量解析した結果,BMI 21.3 kg/m2未満(HR 6.26,95%CI 1.81-21.71),ISWT歩行距離 360 m未満(HR 5.27,95%CI 1.56-17.83),CAT 15点以上(HR 4.99,95%CI 1.28-19.4)が,有意な因子として抽出された.低体重,歩行距離の短縮,強い自覚症状は,入院を要するCOPD急性増悪の危険因子になりうることが示唆された.