日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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Print ISSN : 1881-7319
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原著
慢性閉塞性肺疾患に対する呼吸回数を指定した吸気筋トレーニングの効果
―吸気筋力の向上は運動耐容能に影響するか―
大倉 和貴川越 厚良柴田 和幸岩倉 正浩菅原 慶勇高橋 仁美柏倉 剛本間 光信佐竹 將宏塩谷 隆信
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2016 年 26 巻 2 号 p. 258-263

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抄録

【目的】慢性閉塞性肺疾患(COPD)において低強度運動療法に追加併用して実施した,呼吸回数を指定した吸気筋トレーニング(IMT)の効果を明らかにすること.

【方法】安定期COPD患者20名を対象とした.対象患者には,呼吸回数を30回に指定したIMTを3ヶ月間実施した.介入前後に最大吸気口腔内圧(PImax),大腿四頭筋筋力(QF),6分間歩行距離(6MWD),6分間歩行試験後の呼吸困難と下肢疲労感を測定し,IMTによるPImaxの増加および運動耐容能に及ぼす効果を検討した.

【結果】IMT施行後に,PImax,QF,6MWDは有意に改善した.また,6MWDとPImaxおよび呼吸困難の各変化量には有意な正の相関関係がみられた.

【結論】呼吸回数を指定したIMTの追加併用によりPImaxは有意に増加し,PImaxと呼吸困難の改善が大きいほど6MWDの増加量も大きくなる可能性が示唆された.

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© 2016 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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