2017 年 26 巻 3 号 p. 456-463
在宅における多面的包括的呼吸ケア・リハビリテーションは,今や多くの専門職で担えるようになった.少ない職種でなんでも行ってきたケアから,専門性を高めた質の高いケアを提供するべく,スキルアップが必要である.ここでは,効果的な在宅呼吸ケア・リハビリテーションについて実際の症例をまじえ,解説する.COPDでは肺の局所の炎症と全身性炎症が身体活動性の低下と関連すると言われ,急性増悪を回避し慢性安定期を確立した上に、抗炎症効果のある呼吸リハビリテーション=効果的なトータルマネジメントを行い,さらに我々が生活環境でしっかり伴走し行動変容まで導くことの必要性について,前半で述べる.後半は効果的な人工呼吸療法について述べる.決して人工呼吸器設定不全による拘束性換気障害を招いてはならないこと,呼吸不全を治療すべく人工呼吸器を設定すべきである.