2019 年 28 巻 1 号 p. 11-15
COPD患者の長期管理のためには,複数の専門スタッフで構成されるチームによる多面的な介入,すなわち包括的呼吸リハビリテーションの構築が必要である.当院の包括的外来呼吸リハビリテーションプログラム導入当初は,看護師が主体となって患者教育や自主トレーニングに重点を置き,療養日誌や歩数計を用いた管理を中心に行った.これが結果的に患者の身体活動性を維持することにつながり,QOLを向上させることができた.患者教育においては,増悪時アクションプランの指導を強化することで,増悪への早期対応が可能となり,早期回復および重症化の予防効果を認めた.東日本大震災時には,酸素供給維持への行動のない患者が酸素中断となったことが判明したため,災害時の対応をあらかじめ設定しておく災害時アクションプランの必要性が示された.これらのアクションプランは,現在患者指導プログラムに組み込まれているが,地域連携で活用されることが効果的と考え,地域連携システムを構築している.