日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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特別講演
総説:呼吸リハビリテーションの歴史
―過去から未来へ―
塩谷 隆信佐藤 晋
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2019 年 28 巻 1 号 p. 16-26

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抄録

呼吸リハビリテーション(呼吸リハビリ)は,慢性呼吸器疾患患者の機能を回復,維持させ,患者の日常生活を継続的に支援していく医療介入システムである.1950年代後半に欧米にわずかに遅れて,日本において呼吸理学療法あるいは呼吸リハビリが開始されたのは東京と北九州の2カ所で導入実施されている.

COPD,間質性肺炎,肺結核後遺症,肺がん,肺高血圧症など呼吸不全を惹起する慢性呼吸器疾患がすべて呼吸リハビリの対象となる.呼吸リハビリにおいては,多専門職の学際的医療チームにより多次元的医療サービスが提供され,呼吸理学療法,運動療法,呼吸筋トレーニング(IMT),栄養療法,患者教育などの種目を中心にして展開される.栄養療法では抗炎症効果を有する栄養補助食品が臨床で用いられており,低強度運動療法と併用することでその効果が増加する.IMTでは,持続時間よりも実施回数に重点をおいた方法が考案され,新しい呼吸筋トレーニング機器が普及してきている.教育では,アクションプランの実施,セルフマネージメント,患者自身の行動変容が重要な課題である.

呼吸リハビリの実施により,COPDにおいては呼吸困難の軽減,運動耐容能の改善,身体活動性の向上,健康関連QOL・ADLの改善が得られることから,その実践と普及が大いに期待される.

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© 2019 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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