日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
嚥下リハビリテーションを行った呼吸器疾患患者における経口摂取の機能予後
西坂 智佳伊藤 郁乃佐藤 広之新藤 直子
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キーワード: 呼吸器疾患, 肺炎, 経口摂取
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2019 年 28 巻 1 号 p. 91-96

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抄録

目的:本研究の目的は呼吸器疾患患者に対するST介入症例の経口摂取の再獲得率,最終食形態について調査し,経口摂取に関連する項目の検証をすることである.

方法:2014年4月~2016年3月に呼吸器疾患病名で入院した75歳以上の患者のうちSTが介入した95例を対象とし,退院時の栄養摂取形態から全量経口摂取,一部経口摂取,経口摂取なし群に分類し3群間比較を行った.

結果:入退院時のBarthel Index値が高く認知機能が保たれている症例ほど,より経口摂取が可能であった.年齢・性別・呼吸器基礎疾患の有無は経口摂取の再獲得に関連しなかった.生存例の63.3%で全量経口摂取が可能となったが,そのうち84.4%では嚥下食の調整が必要であった.

考察:入院加療を要した呼吸器疾患患者において経口摂取再獲得率は低く嚥下食の調整が必要となる割合は高い.経口摂取の機能予後は入院時の患者背景から層別化し予測をたてたアプローチが必要である.

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© 2019 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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