日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
ランチョンセミナセミナー
COPD患者の息切れを考える
南方 良章
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2020 年 28 巻 3 号 p. 371-376

詳細
抄録

息切れを中心とする症状の改善は,慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対する重要な管理目標のひとつである.息切れは,主に気流閉塞に伴う動的肺過膨張により生じるため,特に労作時に自覚しやすい.評価指標としては,間接的評価法と直接的評価法があるが,目的によって使い分けが必要となる.日本人COPD患者において,息切れは最も頻度の高い症状であり,治療によっても残存しやすい症状である.息切れは,呼吸機能,QOL,身体活動性,増悪と相関し,息切れの強い患者では総医療費は高額となる.長時間作用性β2刺激薬(LABA)は,長時間作用性抗コリン薬(LAMA)より息切れ改善効果が高い可能性があり,LAMA/LABA配合剤は単剤あるいはLABA+吸入コルチコステロイド薬よりも息切れをさらに改善する.本稿では,様々な観点からCOPDの息切れに対する整理を行う.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top