間質性肺炎には種々の疾患が含まれており,原因や病理組織パターンによって臨床経過や治療反応性が異なる.薬物療法の導入にあたり,治療反応性と副作用のリスクを勘案し,治療に関する最新のガイドラインや手引きを利活用し,十分なインフォームドコンセントの下で,総合的に判断すべきである.特発性肺線維症(IPF)では,抗線維化薬が中心的役割を果たすものと考えられるが,現時点で治癒させる薬物はなく,今後さらなる新薬の開発・治験が必要である.一方,IPF以外の間質性肺炎では,一部に自然寛解する場合もあるが,有症状例や呼吸機能低下例では積極的に薬物療法(ステロイドや免疫抑制薬等)の導入を検討すべきである.