2020 年 29 巻 2 号 p. 264-269
誤嚥に引き続いて起こる肺の障害には,
・「口腔内や上気道に定着している微生物の誤嚥によって生じる細菌性肺炎」である誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)
・「逆流した胃内容物の誤嚥によって生じる化学性肺臓炎」である誤嚥性肺臓炎(aspiration pneumonitis)
・「異物を繰り返し誤嚥することにより引き起こされた細気管支の慢性炎症性反応」であるびまん性嚥下性細気管支炎(diffuse aspiration bronchiolitis: DAB)
がある.
これらはオーバーラップすることもあるが異なるものであり,経過や治療方針,再発予防に大きな違いがある.しかし,これらはしばしば混同される.
誤嚥性肺炎,摂食嚥下障害を正しく学んだ多職種による連携が,さらなる治療・予防の質向上に寄与するであろう.