日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
共同企画
呼吸器内科医の立場からみた誤嚥性肺炎
上田 章人
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2020 年 29 巻 2 号 p. 264-269

詳細
抄録

誤嚥に引き続いて起こる肺の障害には,

・「口腔内や上気道に定着している微生物の誤嚥によって生じる細菌性肺炎」である誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)

・「逆流した胃内容物の誤嚥によって生じる化学性肺臓炎」である誤嚥性肺臓炎(aspiration pneumonitis)

・「異物を繰り返し誤嚥することにより引き起こされた細気管支の慢性炎症性反応」であるびまん性嚥下性細気管支炎(diffuse aspiration bronchiolitis: DAB)

がある.

これらはオーバーラップすることもあるが異なるものであり,経過や治療方針,再発予防に大きな違いがある.しかし,これらはしばしば混同される.

誤嚥性肺炎,摂食嚥下障害を正しく学んだ多職種による連携が,さらなる治療・予防の質向上に寄与するであろう.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top