2020 年 29 巻 2 号 p. 292-298
【目的】吸気筋トレーニングとして,2種類のインターバルトレーニング(IT)と従来法を比較し有用性を明らかにすること.
【方法】健常大学生29名を吸気筋トレーニングの方法によって無作為に3群に分けた.全群とも負荷強度は最大吸気筋力の60%,頻度は2回/日を毎日とし4週間実施した.開始前と4週後に呼吸機能,呼吸筋力・耐久力を測定した.トレーニング(Tr)継続性の指標としてTr実施前後の呼吸困難と,終了時点でのTr継続の可否を調査した.群間差を連続変数では分散分析と多重比較,名義尺度ではカイ二乗検定を用いて検討した.
【結果】呼吸筋力は全群で,筋耐久力はITにおいて有意に向上した.回数群では従来群と比較してTr実施に伴う呼吸困難が有意に低く,継続可能と答えた者が多かった.
【結論】吸気筋ITは従来法と同程度の効果が得られ,特に回数指定のITでは実施者の負担軽減によりアドヒアランス向上に寄与する可能性が示唆された.