2020 年 29 巻 2 号 p. 304-310
本研究の目的は,多施設における慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者80名を対象とし,サルコペニアの有病率や臨床的特徴を調査することである.調査項目は,年齢,%1秒量,体格指数(BMI),脂肪量指数(FMI),膝伸展筋力,6分間歩行距離(6MWD),1日あたりの歩数,運動量,CAT(COPD Assessment Test),MNA(Mini Nutritional Assessment),10食品群チェックシートとした.結果,本研究のサルコペニアの有病率は30.0%であり,サルコペニア群は非サルコペニア群と比較し,%1秒量,mMRC息切れスケール,BMI,FMI,膝伸展筋力,1日あたりの歩数,運動量,MNA,10食品群チェックシートの得点には有意差を認めた.以上より,本研究のCOPDのサルコペニア患者は,疾患重症度,身体不活動,低栄養の要素すべての影響を受けていた.