2020 年 29 巻 2 号 p. 346-349
気管支喘息の重症者はリモデリングを来し運動耐容能の低下を招く可能性がある.重症持続型の場合,治療下でも増悪を認め,在宅の現場におけるリハビリテーション(以下,リハ)内容に難渋することが多い.訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)の提供において,対応できない疾患の上位に呼吸器疾患(重度)が挙げられており,在宅における呼吸リハビリテーション(以下,呼吸リハ)を浸透させていく事は急務である.本症例は難治性気管支喘息と診断された50歳代女性で,20年間,喘息発作等により入退院を頻回に繰り返していた.訪問診療が開始された後も頻回な往診が必要であり,訪問リハも導入された.リスク管理,運動負荷量の判断のために,フィジカル・アセスメント,ピークフローメーター,喘息日誌を活用,導入した.その結果,リハ中やリハ後の急性増悪や再入院がなく基本動作・ADL能力の向上や身体活動量の拡大がみられた.