日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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教育講演
看護研究の基礎と呼吸器における研究ニーズ
長谷川 智子
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2021 年 29 巻 3 号 p. 386-390

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抄録

看護における疑問を解決するための研究論文をどんどん世に発表しなければならない.看護研究の意義には,【あまり知られていない特定の現象を記述できる(例:一人暮らしの終末期COPD男性の生き別れた家族に対する思いと看護ケア)】,【看護ケアを計画するときに考慮すべき現象を説明できる(例:急性発作を繰り返す喘息患者への吸入指導とその効果)】,【望ましくない結果の発生を抑制できる(例:高齢COPD患者の感染予防に向けた看護ケア)】,【対象者から望ましい行動を引き出す活動が始められる(例:COPD患者の自己効力感を向上させるための看護ケア)】などがある.看護研究の題材は,臨床での小さな疑問にあり,それらの疑問を答えることができれば,研究として十分意義があるものである.呼吸器に関する看護研究はまだまだ少ないため,今後,呼吸器疾患における看護の質の向上のためにも看護研究を行っていかなければならない.

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© 2021 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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