オンライン診療の保険収載により遠隔医療への注目が高まり,様々な診療行為への遠隔医療の浸透が始まった.遠隔モニタリングはオンライン診療と異なる遠隔医療手法として独立に発展して,適用対象の拡大,臨床効果の実証,診療報酬化が先行している.遠隔モニタリングを含む遠隔医療の発展では,臨床手法のみでなく,医療制度,医師法,診療報酬,工学技術が大きな位置づけを占めている.医療上の位置づけの確定,有効性の実証,モラルハザードの回避などの課題があり,それに伴う医師法や診療報酬上の議論や制約が長く続いてきた.その検討の過程で,遠隔モニタリングは制約からいち早く抜け出して,日常生活の中での治療,重度慢性疾患患者の生活復帰などの手段としての発展が期待される.制度の発展を振り返り,政策的推進に重要な医療技術評価モデルとして,原理や有効性,形態,対象などを示し,今後の発展の方向性を展望する.