2023 年 31 巻 3 号 p. 368-370
人工呼吸回路の着脱や排痰補助装置(MI-E)に不安のある人工呼吸器装着下の筋萎縮性側索硬化症患者にMI-Eを導入し,自宅や施設でも使用できるよう,家族指導と地域啓発,訪問リハビリテーションを行った.MI-Eは二人体制で素早く回路を付け替えるなど患者の不安に配慮して行った.MI-E後は分泌物が多量に吸引され,患者は有効性を自覚できた.家族指導は入院初期から行った.退院前カンファレンスの際に,退院後の主治医・地域の医療スタッフに対しMI-Eの操作体験・指導を行い,訪問リハビリテーションで自宅・施設で継続して使用できていることを確認した.人的・物的環境の整った病院内でMI-Eを導入し成功体験を積み,主治医や地域の医療スタッフ,家族など直接使用者に指導を行う事,さらに退院後のフォロー体制を確立することで,円滑に導入と使用継続ができることが示唆された.