2023 年 32 巻 1 号 p. 58-66
【目的】吸気筋力低下(IMW)を有する心疾患患者の特徴を明らかにすること.
【方法】対象は外来心臓リハビリテーション開始時に呼吸機能検査と心肺運動負荷試験を行った99例.最大吸気圧が予測値の70%未満をIMWと定義し,全症例および心不全(HF)合併別に比較した.
【結果】全症例では,IMW群でHF合併率が高く,左室駆出率(LVEF)と最高酸素摂取量が低値,左室拡張末期径(LVDd)が高値であった.HF合併症例では,IMW群でLVEF低値,LVDd高値,controlling nutritional status(CONUT)scoreで中等度障害の割合が高く,HF非合併症例では,IMW群で身体活動量(PA)が低値であった.
【結論】IMWを有する心疾患患者はHFを高率に合併し運動耐容能が低かった.また,HF合併症例におけるIMWの特徴は左室機能低下と栄養状態不良,HF非合併症例におけるIMWの特徴はPA低下であった.