2025 年 34 巻 1 号 p. 82-86
今回,特発性肺線維症をベースとした慢性呼吸不全のために在宅酸素療法と呼吸リハビリテーションが導入されている生活期にある症例に対して,生活行為向上マネジメント(management tool for daily life performance; MTDLP)を用いての作業療法を行った.本症例は地域生活にて身体機能・活動量・QOLが低下していた.そこでMTDLPを導入して本症例の希望する“観光列車への乗車”を目標に据えてプログラムを作成し,多職種でアプローチを行った.その結果,身体機能・活動量・QOLの改善を認め,観光列車に乗車することができた.そして,目標を達成してMTDLPによる介入を終了した後も更に改善効果を認めた.MTDLPを用いて呼吸リハビリテーションのアクションプランを計画することは,身体機能・活動量・QOLを効率的に,かつ持続的に向上する可能性が示唆された.