日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
呼吸器疾患患者と在宅酸素療法患者のQuality of Life構造の比較と看護に関する研究
深野木 智子加城 貴美子野地 有子
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1994 年 4 巻 2 号 p. 110-116

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抄録

呼吸器疾患患者(以下呼吸器群)および,在宅酸素療法(以下HOT)患者(以下HOT群)の生活の重要度と満足度によるquality of life(以下QOL)および,QOL因子構造を示し,HOT患者のQOL向上のための看護を明らかにすることを目的に,Ferrans & Powers のquality of life index (QLI) を用いて検討し,以下の知見を得た.

1. 呼吸器群(N=14)は平均年齢55.6歳で,64.3%が仕事をもっていた.HOT群(N=15)は平均年齢66.9歳で,40%が夫婦2人暮らし,仕事をもつ者は26.7%と呼吸器群に比べ有意に少なかった.平均HOT期間は40.0±32.5ヵ月であった.

2. 両群ともに重要度と満足度には差がみられ,満足の達成は低かった.また,HOT群のQLI合計,重要度,満足度は呼吸器群よりも有意に低く(p<0.001),これは受けている医療,生活を思いどおりにできる程度,他者への有用感,目標達成,現在の幸福感,人生,自分の外見,あるがままの自分でいること,友人,旅行などの満足の達成が不足したためであると示唆された.

3. QOL因子構造は呼吸器群は3因子(累積寄与率69.02%),HOT群は4因子(累積寄与率64.86%)で,HOT群のほうが多くの因子構造を示していた.

4. 以上から,QOL向上の看護は社会的役割の保持,余暇・患者会活動などへの参加,他者への有用感をもてる,カニューラほか身体的外見への配慮,本人自身が呼吸困難感やチューブ類による生活制限をあきらめないこと,また自己を受け入れるための心理的援助,生活水準維持のための諸制度の利用などが特に重要であると考える.

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© 1994 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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