1995 年 5 巻 2 号 p. 69-74
呼吸管理は気管内挿管下に人工呼吸を行うことがすべてではない.早期に呼吸不全に気づくことで,挿管と人工呼吸器という侵襲から多くの患者を救うことが可能である.そのためには患者の呼吸状態を肺理学所見から的確に得られること,呼吸不全の病態を十分に把握できること,病態に合致した治療が行えることが重要である.われわれが提唱する非挿管・非人工呼吸管理はこの概念のもとに生まれた.ここでは急性呼吸不全に対し,非挿管・非人工呼吸管理を行うために必要な「人工呼吸以前になすべきこと」を紹介する.