日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
原著
在宅酸素療法患者の外出へのアプローチ
朝田 完二新木 民哿青野 健治
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1996 年 6 巻 2 号 p. 124-126

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抄録

在宅酸素療法(HOT)患者の訪問診療で,患者の生活行動範囲が狭いことに気づいた.なぜ外出しないかを検討し,さまざまなアプローチを行った.①家族を含めた外来でのグループ学習,②酸素を吸いながら外に出ようと,遠足の企画,③患者会である「若草会」の発足.これらの成果を把握するため1995年にアンケート調査を行い1992年と比較した.前回の調査では「ほとんど外出しない」が47%であったが,今回の調査では18%と改善していた.携帯用酸素ボンベの使用率は35%から98%へ改善し,旅行経験者も前回はいなかったが,今回は18名いた.患者の多くが外出への強い願望を持っており,医療者側からのアプローチにより生活行動が大きく変化したと考えられる.

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© 1996 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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