日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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6 巻 , 2 号
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会長講演
  • 堀江 孝至
    原稿種別: 会長講演
    1996 年 6 巻 2 号 p. 73-77
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    睡眠時無呼吸症候群は最近マスメディアで取り上げられることが多く,社会的な関心も高まっている疾患である.成人男性の1~2%にみられるとされ,女性にも少なくないことが指摘されている.中等症以上の患者が無治療で経過すれば種々の合併症をきたし,一方では,社会的にも問題となるような大事故を招きうる病態である.治療は可能で,CPAP治療を中心に解説した.

原著
  • 長谷川 美津子, 輪湖 史子, 牛込 三和子, 川村 佐和子
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 78-85
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    HMV児42人を対象に,生活範囲と呼吸管理を調査,HMVケアの課題と看護対応を検討した.1) HMV期間は平均2年で,人工呼吸器使用上の問題を69%が体験し,総件数60件であった.自宅外活動児(52.4%)は問題の29.5%を自宅外で体験していた.2) 問題発生後に「蘇生処置」「入院治療」を要したのは26.7%で,自宅外体験では53.8%であった.3) 機器操作の問題は,不適切な使用,誤操作,準備不足が抽出され,予防策として,適切な機器・周辺物品の供給,誤操作予防措置,確実な準備,家族ケア者の負担軽減が示された.

  • 木谷 千尋, 戸谷 千鶴子, 岩田 敬子, 米谷 和世, 南保 千恵子, 金森 一紀
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 86-90
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    慢性呼吸不全患者の入浴では,一律に腹式呼吸や動作方法を指導するだけでは,低酸素血症や息切れの改善が得られない.そこで,12分間歩行試験におけるSpO2の低下と息切れの関係に着目し,患者を3タイプに分類した.すなわちAタイプ:SpO2最低値<85%,息切れ(-),Bタイプ:SpO2最低値<85%,息切れ(+),Cタイプ:SpO2最低値≧85%,息切れ(+).そして,SpO2 85%以上を維持し,かつ息切れを軽減させることを目標に,それぞれのタイプ別に入浴指導を行い,A・Bタイプでは低酸素血症の改善,B・Cタイプでは息切れの改善が得られた.指導前後の清潔に関するADLの変化を土居式ADL判定尺度表を用いて評価すると,B・Cタイプでは達成率が改善したが,Aタイプでは酸素吸入量の増加のために達成率が低下した.安全・安楽の面を土居式ADL判定尺度表を用いて評価する場合,低酸素血症の有無を補い,達成率の数値の推移をみていくことが重要であること考えられた.

  • 中川 まゆみ, 佐藤 千代子, 森 光弘, 満岡 孝雄, 大口 小百合, 西田 文子
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 91-97
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    合併症を有するCOPD患者を対象に,QOL改善に必要な保健指導を明らかにするために,患者の家庭環境や身体的,社会的,精神的な健康状態について聞き取り調査を行った.その結果,服薬,禁煙,呼吸法・去痰法などに関する患者教育の不十分さ,心理面での抑うつ傾向,社会活動への消極性,階段昇降の困難さ,独居あるいは二人暮らしの多さ,夜間排尿と睡眠障害などの問題点が明らかとなった.

  • 原 久男, 町田 和子, 坂本 恵理子, 川辺 芳子, 大塚 芳郎, 毛利 昌史
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 98-102
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    在宅酸素療法患者においては,軽くて長時間使用できる携帯酸素に対する要望は切実である.今回われわれは,酸素使用時間の延長を目的として,携帯用液化酸素に呼吸同調型酸素供給器を組み合わせ,その有用性を検討した.慢性呼吸不全患者13例を対象とした安静時および座位において,同調酸素使用により連続酸素吸入と同様な酸素化および脈拍数減少が得られ,同調率および酸素節約効果も良好であった.

  • 有田 健一, 唯保 咲子
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 103-108
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    在宅酸素療法(以下HOTと略す)患者47例を対象に,HOT導入後の満足度と生活の質の改善度についてアンケート調査を行った.その成績の検討からHOTの新規導入にあたっては,次のような諸点に配慮した教育・指導が必要と思われた.すなわちHOT導入後の満足度を高め生活の質を改善するためには,①HOT導入に伴う生活全般にわたる変化をできるだけ少なくすること,②自覚症状の乏しい症例にはHOTの必要性に関する教育が大切であり,HOTの導入はその理解を経て行われるべきであること,③自分に必要な医療としてHOTを前向きに受けとめる患者の理解が大切であること,④自発的な禁煙に向けて指導していくこと,が大切である.

  • 北山 和貴, 吉野 克樹, 金野 公郎
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 109-113
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    気管切開下に長期人工呼吸管理となった呼吸不全患者に対し患者の労力を最小限にとどめ,より確実にコミュニケーションを行うために画像処理機能付き小型センターカメラとノート型パーソナルコンピュータを使用し,患者の口唇の動きを画像処理により認識し音声に変換する会話支援システムの開発を行った.あらかじめ規定した20個の文章の認識率と口唇の動きから音声発生への変換時間を健常者1名と期間切開下に人工呼吸管理中の慢性呼吸不全患者1名を対象として検討した.健常者に対する20文章の認識率は92%と高率であったが患者に対する認識率は18%と低値を示した.また音声への変換時間は両者ともに1秒前後と短く実用に耐えうる時間であった.今後,口唇の認識方法やシステムの改善により認識率を向上させ,臨床使用が可能になると考えられた.

  • 安藤 守秀, 榊原 博樹, 松下 兼弘, 田中 一徹, 中村 慎吾, 加古 恵子, 佐藤 元彦, 谷口 正実, 上平 知子, 大槻 紀夫, ...
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 114-118
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    豊明地域における個人病院・診療所での在宅酸素療法(HOT)の現状を把握するため,豊明市周辺地域の医師会所属の個人病院・診療所175施設に調査票を送付し,91施設より回答を得た.これらの施設には110名の呼吸不全患者がいたがHOTはそのうち45名にのみ実施されていた.またHOT実施施設においても呼吸管理に必要な備品の不備が目立ち,また後方ベッドの確保や包括的ケアの体制整備も不十分で改善を要することが明らかとなった.

  • 早川 美和子, 安藤 守秀, 中島 圭子, 前山 順子, 金田 嘉清, 榊原 博樹, 才藤 栄一, 末次 勸
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 119-123
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    私達は,系統的な呼吸リハビリテーションプログラムを試作し,藤田保健衛生大学病院に入院中の慢性呼吸不全・準呼吸不全患者12例に対しこれを実施した.その結果約1ヵ月間の呼吸法訓練,呼吸筋・四肢・躯幹筋力強化,持久運動,ADL訓練により呼吸困難度,活動能力および健康に関する生活の質に有意な改善がみられ,私達のプログラムが有効に作用したことが示された.

  • 朝田 完二, 新木 民哿, 青野 健治
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 124-126
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    在宅酸素療法(HOT)患者の訪問診療で,患者の生活行動範囲が狭いことに気づいた.なぜ外出しないかを検討し,さまざまなアプローチを行った.①家族を含めた外来でのグループ学習,②酸素を吸いながら外に出ようと,遠足の企画,③患者会である「若草会」の発足.これらの成果を把握するため1995年にアンケート調査を行い1992年と比較した.前回の調査では「ほとんど外出しない」が47%であったが,今回の調査では18%と改善していた.携帯用酸素ボンベの使用率は35%から98%へ改善し,旅行経験者も前回はいなかったが,今回は18名いた.患者の多くが外出への強い願望を持っており,医療者側からのアプローチにより生活行動が大きく変化したと考えられる.

  • 小竹 庸子, 木田 厚瑞, 神野 悟, 野村 浩一郎, 山田 浩一, 桂 秀樹
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 127-131
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    高齢者の在宅酸素療法実施例を対象に,1)日常会話および既存の認知機能評価であるMini-Mental State Examination (MMSE),長谷川式簡易痴呆スケール(HDS)を比較し,2)生活機能(Basic ADL, Instrumental ADL)に関する諸項目を定量的に評価した.MMSE, HDSは有意に相関したが日常会話による評価は,必ずしもこれに一致しなかった.ADLは,大多数例が自立していたが,IADLの低下例が特徴的であった.

  • 瓜生 伸一, 渡辺 敏, 小林 馨, 白井 敦史
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 132-136
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    在宅人工呼吸療法の基礎資料を得るために,実際に在宅人工呼吸療法を受けている患者およびその家族に対してアンケートを行ったが,在宅医療で人工呼吸器を使用する際の不安や問題点,在宅医療で使用される人工呼吸器への不満などが明確になった.今後,さらによりよい在宅人工呼吸療法にしていくためには,これらの意見は非常に貴重であり,今後の在宅人工呼吸療法に十分反映させていかなければならないと思われた.

  • 佐野 公泰, 三浦 宜久, 臼井 利雄, 加藤 達雄, 白木 硬, 大黒 道夫
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 137-140
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    成人喘息患者を挿管群と非挿管群に分けて,さらに挿管群は救命例と死亡例に分けて背景因子とリスクファクターについて比較検討した.挿管群はアトピー型,過去の挿管歴を有するものが多く,ベクロメタゾン(BDP)吸入不使用例が多くみられた.死亡例は高齢に多く,高齢発症の傾向を認め,大部分肺気腫等の合併を認めた.喘息死を防ぐには,自己管理の長期プログラムの必要性を患者自身に自覚させ,的確に指導することが大切である.

  • 吉田 仁, 村石 かおり, 浜川 博司, 中川 達雄, 関 剛, 酒井 直樹, 越久 仁敬, 三嶋 理晃, 大井 元晴, 久野 健志
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 141-147
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    昨年の阪神淡路大震災は,6,500人以上の犠牲者を出す未曾有の大災害であった.その混乱の中,在宅酸素療法患者は,どのような状況に遭遇し,いかに生き抜いたかを記録する目的で調査を行った.地震直後,帝人K.K.が作成した被災患者名簿より,無作為に242名の患者を抽出し,電話訪問を実施,許可の出た患者103名に対し戸別訪問を行い,聞き取り調査を実施した.調査内容は,前半では地震前の生活環境,被災状況を,後半では被災直後および調査時における患者の身体症状,受けた喪失感の程度,精神科領域で使うDSM-IVのPTSD診断基準4)を用いたPTSDの程度についてである.今回特に,身体症状,喪失感,PTSDについて震災直後と調査時で,調査前半の内容の各条件下ではどう変化したか検討した.身体症状,喪失感は,有意に回復傾向を示したが,PTSDに関する調査結果は,地震が患者に対し持続的,晩発的に作用した傾向を示した.

  • 井澤 裕, 吉野 克樹, 金野 公郎
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 148-152
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    気管支喘息の気道過敏性の評価として吸気ピークフロー(PIF)の有用性について検討した.対象は喘息発作群,喘息安定群と健常人で,フローボリューム曲線における吸気ピークフロー(PIF),呼気ピークフロー(PEF),およびスパイログラムにおける1秒量(FEV 1)を比較検討した.PIFの再現性は良好で,気管支喘息発作時気管支拡張剤の吸入により有意な改善を認めた.症例によりPIFの改善とPEF,1秒量(FEV 1)の改善が対応しない例もあり,これは気道狭窄病変の平滑筋機能と関連している可能性が示された.PIFは気管支喘息の気道過敏状態の評価として臨床上有用な指標の一つであることが示された.

  • 阿部 眞弓
    原稿種別: 原著
    1996 年 6 巻 2 号 p. 153-156
    発行日: 1996/12/20
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    動機付け,生活指導を重点に禁煙指導を行った.1年後の禁煙継続,喫煙習慣再発の各群の背景を分析し,禁煙継続のための禁煙指導の要点を考察した.呼気一酸化炭素濃度は禁煙継続の指標として簡便かつ有用であり,血漿中コチニン濃度はニコチン補充療法の適正量設定に役立った.特に家庭環境が不安定で,疾病がなく健康意識が低く,情緒不安定など性格的に喫煙習慣の再発しやすい患者にはカウンセリングの重要性が指摘できた.

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