日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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原著
長期在宅経気管人工換気療法者における気道浄化看護に関する検討
徳山 祥子川村 佐和子数間 恵子牛込 三和子輪湖 史子大野 ゆう子
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1998 年 7 巻 3 号 p. 213-218

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抄録

在宅経気管人工換気療法を13年間継続する男性筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の資料を用いて,気管内吸引回数を指標として痰の産生と除去に関係する要因を探索し,気道浄化看護について検討した.<br>1. 1日の吸引回数に関係が認められた要因は,1) 呼吸器回路の処理方法,2) 吸引器の性能,3) 看護ケア(清拭・洗髪,手浴・足浴,理学的訓練),4) 気管カニューレ交換であった.<br>2. 定期的で計画的な日中の看護行為(清拭・洗髪,手浴・足浴,理学的訓練)は,効率的に気道浄化をはかることにつながり,夜間の吸引を減少させ家族介護者の負担軽減と本人の睡眠の確保ができると考えられる.<br>3. 使用期間を越えた呼吸器回路の適正交換のため,適切な製品の供給による経済的負担の軽減が必要である.<br>4. 吸引器は療養者にとって充分な吸引力がある機種の使用と機種選択可能な貸し出し制度が必要である.

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© 1998 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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