1998 年 8 巻 2 号 p. 172-176
閉塞型睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome:OSAS)は睡眠中に上気道の虚脱が生じ,呼吸に伴う鼾の振動により上気道粘膜が機械的刺激に曝されている.また,形態的にも上気道粘膜の浮腫が認められ,上気道炎症の存在が示唆される.われわれはOSASにおいて,近年気道炎症の指標として注目されている呼気―酸化窒素(Nitric Oxide:NO)濃度を測定しOSASの気道炎症について若干の考察を加えた.対象:OSAS群27名(平均Apnea-hypopnea Index=l6.4±18)気管支喘息群18名,正常群19名,方法:呼気NO測定器(SHIMADZU社製CLM-500)を用いて,経口,経鼻それぞれの呼気NO濃度を計測した.結果:経口呼気NO濃度はそれぞれの群間で有意差を認め喘息群239±172,OSAS群93±65,正常群46±25の順で高値であった.経口と経鼻の比較では正常群,OSAS群で経鼻が有意に相対的高値であったのに対し,喘息群では経鼻よりも経口が有意に高値であった.経口呼気NO濃度よりOSASの上気道,特に咽頭部分における炎症が示唆された.