日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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8 巻, 2 号
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シンポジウム1
  • 岩永 知秋, 村上 京子
    原稿種別: シンポジウム
    1998 年 8 巻 2 号 p. 113
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー
  • 朝野 和典, 河野 茂
    原稿種別: シンポジウム
    1998 年 8 巻 2 号 p. 114-117
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    慢性呼吸器疾患の急性増悪の原因として感染性増悪は最も重要なもののひとつである.また,それ以外の原因による増悪の場合も必ず感染症との鑑別あるいは合併の有無を評価すべきである.このような鑑別,診断,治療法の決定に,喀痰の培養検査よりグラム染色検査は,迅速で,かつ多くの情報を得られる.本稿ではグラム染色を用いることの重要性について強調したい.

  • 多部田 弘士, 玉置 正勝, 白井 拓史, 栗山 喬之
    原稿種別: シンポジウム
    1998 年 8 巻 2 号 p. 118-122
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    COPDを中心とする慢性肺疾患の急性増悪における心不全の意義と循環動態を明らかにし治療につき検討した.右心不全が増悪原因の4.7~8.3%を占め,肺高血圧例では正常圧例に比べ増悪を起こす頻度が高いことより,右心負荷が強い例ほど急性増悪に陥りやすいと考えられた.急性増悪(軽症)を起こしたCOPD 13例の検討では,増悪時は低酸素性肺血管収縮(HPV)により肺動脈圧が上昇し,圧負荷・容量負荷により右室収縮能が低下した.左室収縮能は障害されず,心拍数が増加し,心拍出量が増えることで酸素運搬が維持されたが,末梢組織の低酸素状態はより悪化した.治療は,酸素投与による低酸素血症の改善が最も重要であり,利尿剤,テオフィリン製剤などを適宜使用する必要があると考えられた.循環動態の経過観察には心エコー図法が有用であった.

  • ―COPD急性増悪時の人工呼吸適応を中心に-
    川幡 誠一
    原稿種別: シンポジウム
    1998 年 8 巻 2 号 p. 123-128
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    当院呼吸集中治療室で行った,慢性呼吸器疾患急性悪化に対する侵襲的人工呼吸管理の適用基準と治療成績ならびに救命後の長期予後につき,COPDを中心に紹介した.COPD患者の人工呼吸直接救命率は82.3%と良好であったが,救命後の50%生存期間は23.9ヵ月と厳しいものであった.これらの結果に基づき,慢性呼吸器疾患,とりわけCOPD急性悪化に対する人工呼吸適応につき,非侵襲的人工呼吸との関連を考慮しつつ考察した.

  • 陳 和夫, 坪井 知正, 大井 元晴
    原稿種別: シンポジウム
    1998 年 8 巻 2 号 p. 129-132
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    慢性肺疾患の急性増悪における非侵襲的呼吸管理としては,酸素療法(低流量法,高流量法)と,諸種病態に対する薬物療法が主であったが,近年,鼻マスク,またはフルフェイスマスクを使用した非挿管下補助呼吸(noninvasive positive pressure ventilation: NPPV)が普及しつつある.また,睡眠呼吸障害として,閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の頻度が高いので,特に肥満例においてはOSAS合併を考慮すべきである.

  • ―呼吸理学療法の適応と実際―
    高畠 由佳, 篠原 規恵, 古川 陽子, ワード 弥生, 甲屋 早苗, 蝶名林 直彦, 青島 正大
    原稿種別: シンポジウム
    1998 年 8 巻 2 号 p. 133-137
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    慢性呼吸器疾患の包括的呼吸リハビリテーションにおいて,その急性増悪期にICUで行われる呼吸理学療法は,人工呼吸管理前後の効果的な気道分泌物の除去や,咳嗽力の回復を目標とし,手技の適応を慎重に判断し,十分な観察のもとに実施されることが必要である.さらに医師や理学療法士と連携し,ケアを継続できる看護チーム力や,チーム内での患者の情報の共有化がポイントになり,今回具体例をあげて解説した.

  • 吉川 雅則, 米田 尚弘, 森山 彰啓, 山本 智生, 竹中 英昭, 福岡 篤彦, 小林 厚, 生野 雅史, 岡本 行功, 岡村 英生, 塚 ...
    原稿種別: シンポジウム
    1998 年 8 巻 2 号 p. 138-142
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー
  • 大桃 美佐子, 村上 京子
    原稿種別: シンポジウム
    1998 年 8 巻 2 号 p. 143-145
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    慢性閉塞性疾患はしばしば急性増悪を反復し次第に病態の増悪をきたす疾患である.そのベッドサイドケアにおいては急性増悪の回避が患者QOL,生命予後,医療経済のいずれにおいても中心的課題である.急性増悪入院の実態調査では,患者は高齢であり患者教育の困難性や介護力の低さが明らかとなった.将来の課題として,さらに患者・家族教育を充実さること,地域を含めたチーム医療のあり方を再構築していく必要性が示唆された.

原著
  • 鈴木 恒雄, 豊田 恵美子, 高原 誠, 川田 博, 小林 信之, 工藤 宏一郎
    原稿種別: 原著
    1998 年 8 巻 2 号 p. 146-150
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    肺結核は予後良好の疾患であるが,ときに呼吸不全にいたり人工呼吸管理を必要とする例がみられる.今回われわれは活動性肺結核患者で人工呼吸管理を要した12症例を臨床的に検討した.その結果これらの症例の予後は,はなはだ不良であった.そしてこれらの症例は以下のパターンにわけることができると考えられた. a)進行した肺結核で入院後すぐに人工呼吸管理になった例,b)加療1~2ヵ月後に人工呼吸管理になった初期悪化を疑わせる症例,c)高齢者で肺結核とは無関係で合併症を併発し呼吸不全が悪化し人工呼吸管理となった例,d)薬剤の副作用で合併症を併発し呼吸不全になった例,にわけることができた.また気胸,空洞の破裂による膿胸は予後不良因子と考えられ,そしてこれらの症例の栄養学的予後指数は平均で30.6と低く,Body mass indexは19.8と低値で栄養状態は不良であった.肺結核で人工呼吸管理になった症例は全例,合併症を併発しており,呼吸管理のみならず,補液などの全身の管理が必要であった.またほとんどの症例では,入院時過呼吸状態であり,PaCO2は低値でアルカローシスを呈していたが,人工呼吸管理導入時には,CO2の蓄積があり,アシドーシスへ変化していた.これは補液により,肺血管外水分量が増加したことによる可能性がある.

  • 有田 健一, 大道 和宏, 中村 賢二, 大橋 信之, 武島 裕爾, 沖田 清美
    原稿種別: 原著
    1998 年 8 巻 2 号 p. 151-156
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    HOT患者に行った遠足についてアンケート調査を行った.参加者からは遠足を通して多面的な意欲の高まりが表明されたが,不参加者からは行動への自信のなさや引っ込み思案な対応が示された.教育の一環としての遠足を利用して,不参加者を含めたHOT患者全体の生活意欲水準を高めることができれば,精神的抑圧状態を軽減し,これを予防できる可能性がある.遠足をこのような精神的な支援に役立てるためには遠足の実施形式は観覧形式でも周遊形式でもよいものと思われた.

  • ―術前呼吸理学療法による改善で手術療法を回避できた1例―
    竹内 竜也, 山岸 雅彦, 石橋 朝子, 田垣 茂
    原稿種別: 原著
    1998 年 8 巻 2 号 p. 157-160
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    肺容量減少術に対する多くの報告で術前・術後のリハビリテーションの重要性が述べられている.今回われわれはVRS適応患者に対する8週間の呼吸理学療法を実施したところ,Fletcher-Hugh-Jones分類でⅣ~IIに改善したために手術療法を回避できた症例について報告する.

  • ―愛知在宅人工呼吸療法研究会の登録活動―
    安藤 守秀, 亀井 三博, 松本 修一, 武澤 純, 大曽根 寛, 榊原 博樹, 末次 勸
    原稿種別: 原著
    1998 年 8 巻 2 号 p. 161-165
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    私たち愛知在宅人工呼吸療法研究会は,愛知県における本療法の現状の把握と患者・家族への支援を目的として,平成9年6月より本療法の登録活動を開始した.登録は施設および患者個人の登録からなり,任意の申し出を原則とした.平成10年4月までに18施設から73例の届け出があり,そのうち47例から個人登録を受けた.今後は登録率の向上,行政への働きかけ,患者・家族への情報提供,支援の組織化などが課題であると考えられた.

  • ―愛知在宅人工呼吸療法研究会の調査―
    安藤 守秀, 亀井 三博, 松本 修一, 武澤 純, 大曽根 寛, 榊原 博樹, 末次 勸
    原稿種別: 原著
    1998 年 8 巻 2 号 p. 166-171
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    私たち愛知在宅人工呼吸療法研究会は,在宅人工呼吸療法患者と家族の現状を把握し行政などへの働きかけの基礎資料とするため,平成10年1月までに当研究会に個人登録した30名の在宅人工呼吸療法患者の家族に調査票を送付し,実態調査を行った.その結果,患者・家族の生活実態には気管切開下と非侵襲的人工呼吸で大きな差があり,特に気管切開下人工呼吸では,介護の経済的,人的負担が重く,多くの問題を抱えていることが明らかとなった.

  • 笠井 良彦, 西島 嗣生, 高橋 進, 星野 健, 後藤 心一, 加賀美 浩, 櫻井 滋, 井上 洋西
    原稿種別: 原著
    1998 年 8 巻 2 号 p. 172-176
    発行日: 1998/12/19
    公開日: 2019/10/15
    ジャーナル フリー

    閉塞型睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome:OSAS)は睡眠中に上気道の虚脱が生じ,呼吸に伴う鼾の振動により上気道粘膜が機械的刺激に曝されている.また,形態的にも上気道粘膜の浮腫が認められ,上気道炎症の存在が示唆される.われわれはOSASにおいて,近年気道炎症の指標として注目されている呼気―酸化窒素(Nitric Oxide:NO)濃度を測定しOSASの気道炎症について若干の考察を加えた.対象:OSAS群27名(平均Apnea-hypopnea Index=l6.4±18)気管支喘息群18名,正常群19名,方法:呼気NO測定器(SHIMADZU社製CLM-500)を用いて,経口,経鼻それぞれの呼気NO濃度を計測した.結果:経口呼気NO濃度はそれぞれの群間で有意差を認め喘息群239±172,OSAS群93±65,正常群46±25の順で高値であった.経口と経鼻の比較では正常群,OSAS群で経鼻が有意に相対的高値であったのに対し,喘息群では経鼻よりも経口が有意に高値であった.経口呼気NO濃度よりOSASの上気道,特に咽頭部分における炎症が示唆された.

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