2000 年 9 巻 4 号 p. 480-485
慢性呼吸器疾患における呼吸困難感に対してどのような治療が実施されているのかの現状を検討するため,東京都内の病院(356施設)にアンケート調査を行った(回収率33.4%).1)治療に苦慮する疾患では慢性閉塞性肺疾患が最も高頻度であった(79%).2)呼吸困難治療における各治療の割合は,酸素療法が最も高頻度になされていた(77%).3)呼吸困難度の客観的評価は十分になされてはいなかった.<br> 本邦における呼吸困難に対する治療は第一線医療機関では酸素療法が中心となっており,包括的な治療として実施されていないと考えられた.