医療技術の高度化,国民の高年齢化などに伴い,先進諸国の国民総医療費は増加し続けている。そこで,ヘルスケア産業に可能な限り市場原理を導入し,効率的な医療供給システムを再建することが急務になってきた。本稿では,我が国のヘルスケア産業と海外(特に米国)のヘルスケア産業双方の動静を比較研究し,1)ヘルスケア産業の現状分析と新しいヘルスケアデリバリーシステムへの転換,2)重要な医療資源である医薬品を例に,ビジネス形態の変化とビジネスのグローバリゼイションの検証,3)シームレスなケアの効率的な提供という観点から在宅ケアの効果と問題点を検討した。