超音波検査技術
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学術書―原著
当院超音波検査室における肝癌高危険群管理システムとその成績について
川端 聡田上 展子尾羽根 範員米澤 麻子仙崎 菜々恵森 亘平植野 珠奈山片 重人黒川 三佳山田 晃
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2015 年 40 巻 1 号 p. 22-30

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抄録
我々は肝癌の高危険群においてその早期発見を目的としたサーベイランスの管理システムを構築したので,その成績を報告する.対象は,主に肝炎ウイルス陽性の慢性肝炎および肝硬変患者.腹部超音波検査(以下US)施行日を追跡し,前回検査から6か月以上US,腹部CT,腹部MRIのいずれの画像検査も施行されていない患者について,主治医にUSを促す連絡を行っている.
2006年1月から2012年12月の間に,対象患者1,805人に合計9,898件のUSが施行された.このうち1,445件(14.6%)でUS後6か月以上腹部画像検査が施行されておらず,主治医に連絡を行った.
この7年間で対象患者に発見された初発肝癌は104例であった.これらを,直近のUSが肝癌発見の前7か月未満に施行されていた65例(f/u群)と,直近のUSが肝癌発見の7か月以上前であった39例(非f/u群)に分けた.
平均腫瘍径は,f/u群16.55±5.81 mm,非f/u群32.95±22.68 mmで,f/u群の方が有意に小さかった(p<0.05).肝癌発見から5年以上経過した45例(f/u群30件,非f/u群15件)において,5年生存率は,f/u群は69.3%で,非f/u群の31.6%群に比べ有意に良好であった(p<0.05).
我々の管理システムは肝癌の早期発見と5年生存率の向上に有用であると考えられた.
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© 2015 一般社団法人 日本超音波検査学会
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