抄録
目的:乳房腫瘤性病変に対するソナゾイド造影超音波検査(以下,CEUS)所見の特徴を検討し,CEUSによる良悪性鑑別診断フローチャート作成を試みたので報告する.
対象と方法:対象は2010年8月から2012年11月にCEUSを施行した乳房腫瘤性病変のうち,術前加療症例を除く50症例56結節(良性病変24結節,悪性病変32結節).CEUS所見はソナゾイド投与後1分間の動画より, (1)腫瘤内部染影:なし/周囲乳腺と同等/周囲乳腺よりやや強い/周囲乳腺より明らかに強い/評価困難の5段階, (2)腫瘤内部不染域, (3)腫瘤周囲染影,(4)拍動性染影:なし/あり/評価困難の3段階でレトロスペクティブに評価した.
結果と考察:各CEUS所見の結節数は, (1)腫瘤内部染影:良性病変5/9/3/6/1,悪性病変0/1/10/20/1, (2)腫瘤内部不染域:良性病変11/3/10,悪性病変12/13/7, (3)腫瘤周囲染影:良性病変23/1/0,悪性病変15/17/0, (4)拍動性染影:良性病変17/0/7,悪性病変16/15/1であった.悪性病変では腫瘤内部染影は周囲乳腺より強く,拍動性染影,腫瘤周囲染影,腫瘤内部不染域を伴い,良性病変では内部染影は周囲乳腺と同等以下で,拍動性染影,腫瘤周囲染影,腫瘤内部不染域がみられないものが多かった.これらを組み合わせたCEUSによる良悪性診断フローチャートを作成し,感度87.5%,特異度91.7%,正診率89.3%と良好な診断能が得られた.
結論:CEUSは乳房腫瘤性病変の良悪性鑑別診断に有用であると考えた.