抄録
目的:潰瘍性大腸炎 (UC) の病勢評価を超音波検査 (US) と下部内視鏡検査 (CS) にて行いその診断能を比較検討する.
対象と方法:2012年1月から2013年9月までに当院にてUSとCSを前後2日以内に行ったUC患者28例(男性16例,女性12例,年齢20~73歳:平均41.7歳).大腸の各部位(盲腸,上行結腸,右側横行結腸,左側横行結腸,下行結腸,S状結腸,直腸)をUS, CSにてそれぞれ撮像し,USは自施設にて考案したUS gradeにて,CSはMatts gradeにて評価した.USにおける大腸各部位の描出率,CS評価を基準としたUS評価との一致率と級内相関係数ICC (2.1) およびUSとCS評価の相関を検討した.
結果と考察:USによる大腸描出率は直腸96.4%,他部位は100%,US, CS評価は大腸全体の一致率が70.4%,ICCは0.67,USとCSの相関係数は0.67であった.直腸以外の大腸描出率,一致率は良好であった.USはCSよりgrade評価が低い傾向であった.原因として,USでは描出困難な領域の存在や観察領域での最も強い所見を認識していない可能性が考えられた.またCSで粘膜面に活動性病変がみられなくとも,USでは壁肥厚として病変を捉えていた症例が存在した.
結論:USにおける大腸の描出率,UC病勢評価におけるUSとCS評価の一致率,両者の相関は良好であった.