超音波検査技術
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原著
腎機能が保たれていても糖尿病では動脈硬化が進行している
寺西 ふみ子, 三木 俊, 細井 亮二, 駒 美佳子, 浅岡 伸光, 小川 義高, 星田 四朗
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2015 年 40 巻 2 号 p. 150-160

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抄録
背景と目的:血管内皮機能を反映する上腕動脈の血流依存性血管拡張反応(flow-mediated dilation: FMD)や全身の動脈硬化を反映しうる頸動脈の内膜中膜複合体厚(intima-media thickness: IMT)は心血管イベント発症のサロゲートマーカーとしてよく知られている.また,糖尿病や慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)も心血管イベント発症の予測因子と考えられ,その罹患者数の増大が問題となっている.今回,腎機能と上腕動脈FMD・頸動脈IMTとの関連を糖尿病の有無により検討したので報告する.
対象と方法:64例(平均年齢60歳)において,早朝空腹・安静時に頸動脈mean/maxIMTを計測した後,上腕動脈FMDを測定した.同時に行った血液検査の血清クレアチニン値と年齢,性別より推算糸球体濾過率 (eGFR) を算出した.
結果と考察:eGFRはFMDと正相関を示し,meanIMTとは負相関を認めた.対象をeGFRの値により60 ml/min/1.73 m2以上をA群,60 ml/min/1.73 m2未満をB群に分けると,両群間には拡張期血圧・脈拍数・LDL-C・血糖・HbA1cに差はなかった.腎機能低下を認めたB群では年齢・収縮期血圧・BMI・meanIMTが有意に高くFMDは有意に低下していた.腎機能が保たれたA群の中で糖尿病を有する例では糖尿病ではない例に比し,年齢・拡張期血圧・脈拍数・LDL-C・eGFRには差はなかったが,FMDは有意に低下し,mean/maxIMTは有意に高値であった.B群では糖尿病の有無によるFMD・mean/maxIMTに差はみられなかった.
考察と結論:腎機能は血管内皮機能や頸動脈硬化度と相関を示すことより,腎機能の低下と動脈硬化の進行は密接に関連すると考えられる.特に糖尿病患者では見かけ上腎機能が保たれていても全身の動脈硬化が進行していると考えられ,腎機能が正常であっても早期からの血管エコー検査の必要性が示唆される.
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© 2015 一般社団法人 日本超音波検査学会
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