2021 年 37 巻 3 号 p. 55-63
適切なストーマ装具選択に必要な「粘着性ストーマ装具分類」、「ストーマ・フィジカルアセスメントツール」、「ストーマ装具選択基準」が2009年に発表され、筆者もその研究に関与した。この装具分類作成から10年以上が経ち、2020年の第37回本学会総会においてシンポジウム『「ストーマ装具選択基準」標準化への挑戦』が企画され、筆者は「ストーマ装具の分類と評価」を担当した。本論文では、2009年の研究成果を概説し、それに基づいたストーマ装具選択に重要な装具分類の要素を抽出するとともに、今後の課題を提言する。
粘着性ストーマ装具は、構造面と機能面から14項目に分類されるが、ストーマ装具選択基準の検討に基づくと、この14項目のうちストーマ装具選択に重要となるのは、①システム(消化器・尿路用)、面板の②形状・③柔軟性・④皮膚保護剤の耐久性・⑤ストーマ孔、面板機能補助具の⑥アクセサリーと⑦ベルト連結部、⑧ストーマ袋構造の8項目であった。